913「昼虎」

昔ね まだ結婚してて子供も小さい頃に旦那以外の男性のことを好きになってしまったことがあったの

 

私はそもそもそんな軽薄なタイプではないから

自分がそのひとに心奪われてしまった時

己のことが信じられなかったわ

自分がこんな昼ドラみたいな恋をしてしまうなんて…

 

でも いけないと思った

 

それにその男性はかなり歳下だったし

私なんて相手にされるわけないからと思って…

そもそも私は人妻だし幼い子供達もいるし…

だから この気持ちはなんとか抑えなければいけないと

そう思ったの

 

まあ当然よね

 

そこであらぬ恋に突っ走るなんてバカなこと

私にはできなかったし私はもともと自分にあまり

自信がないタイプの人間だったので

自分とその男性がどうこうなるなんて

とても思えなかったし

 

そもそも…いけない事だし…

 

その男性はいつもとても優しくしてくれたの

だから私はなんだかずっと胸が苦しかった

そんな優しくされたら私は…  私は…   ってね。

 

でも いけない事だし

 

その気持ちとは裏腹に心の中はかなり暴走してしまっていたわね。しかしそれを強く抑えようとする自制心がその【衝動】と激しく戦い葛藤していたわ。

 

この人なんでこんなに優しくしてくれるのかしら

もしかしたら私の事知ってるのかも

私ストーカー被害者としてかなり有名になってるし

私のこと知ってるのかもしれない

だからこんなに私の事心配そうに優しい目で

そして切ない表情で見てくるのかしら…?

 

🍏🍏🍏

 

とにかく私は自分の気持ちを抑える事で必死だった

 

後からわかった事なんだけど

この男性はやっぱり

私の事を出会う前からずっと長い間知っていて

 

そして心から心配してくれていたのだと知った

 

私はかなり歳上だったけれど

彼も実は私と同じ気持ちだったのだと

 

後から知った。

最近になって友達からそれを聞いたの。

 

驚いたわ…

 

その男性との出会い 

そして別れから10年が経過していた

 

なんで言ってくれなかったの?と思ったが

やはり私も人妻でしかも幼い子どもがいたので…

それは出来なかったんだろうな。

私も同じ理由で…

その気持ちに蓋をするしかなかったのだから。

 

何度考えてもあの時点で私が不倫とか離婚とか

ちょっと無理だったと思う。

 

だってやっぱり子供達小さかったし

その彼も私と同じ気持ちだったなんて知らなかったし…

 

まあとにかく 私はやっぱり

意外と貞操観念のカタイ所があったし

それなのに旦那以外の人にこんなに心奪われるなんて 自分でもちょっとなんだか信じられなかった…

 

後にも先にもこんな気持ちになった事はなかったわ

 

彼の優しい眼差し

 

私が仕事で失敗しそうになった時

素早くフォローして助けてくれた時のこと

忘れられないわ…

 

そういうアクシデントもあって私は彼の事で

頭がいっぱいになってた時期があったの

 

彼はとても好青年で 優しい雰囲気を持つ美丈夫だった

 

私は彼の事を好きになってしまった事を誰にも悟られたくなくて必死にその気持ちを隠していたのだけど…多分周囲にはバレていたんだろうなぁ。まあ仕方ないよな。だってめちゃくちゃ優しくしてくれたんだもん…あんなん絶対好きになるわ!って言いたいわよ笑

 

まあとにかくそんなこんなで

私は 彼の事をとても好きだった

 

けど…  私は家庭の事情で引っ越す事が決まっており

 

仕事も辞めることになってたので

彼とは職場で会う事もなくなった

 

だから それっきりだ

 

最後に仕事のためにかけた電話で彼と少しだけ

話したけれど

 

その時のセリフもけっこう覚えている…

 

切なくて たまらなかった

 

もう会えない…

 

あんなに優しくしてくれて 

 

こんなに好きになってしまったのに

 

もう会えないんだ…  そう思った

 

普通にお別れをして電話を切った

 

そして私は家に帰ったんだ

 

泣きながら 帰った思い出があるな

 

恋だったんだな…

 

 

 

 

🍏🍏🍏

 

 

 

 

 

あの時わたしは本当はどうするべきだったのかしら

 

彼に気持ちを告げていたらどうなっていたのかしら

 

もしかしたら今より楽な道を通れていたのかしら

 

そんな事も考えるけれど やはりそれは出来なかった

 

もし彼に気持ちをぶつけていたらどうなっていたかしら

 

それはわからないけれど

 

駆け落ちなんてしていたら 

家族を傷つけてしまう事だけは確かだったわ。

そしてそれをしなくて良かったと思う…

 

あれでよかったのよ。あの後もずっとずっと…

ガスライティングで苦しい時期は続いたけれどね…

 

わたしはあの時間違えていたのかもしれないけど

 

間違った「正解」を選び続けて…よかったわ

 

あれで良かったんだ きっと

 

 

家族みんなを傷つけて困らせて自分だけ幸せになどなれるはずもない。周りの人達の気持ちを全く考えもせず暴走するバカ女になど私はなれなかった。そしてならなくてよかったのだ。

 

「間違った正解」を選び続けたことで私はとても歳をとってしまったし長く苦しい時期を過ごした。容姿は衰えたし太ったし

 

それでもなお 仲間達は 私の事を救おうとして

戦い続けてくれているのだ…

 

 

わたしはあの時「間違った正解」を選んだ

 

 

…それでよかったのだ。

 

 

 

🍏🍏🍏

 

 

 

恋はしていいと思うよ

 

でもできるなら誰かを傷つけるような恋愛ではない方がいいね

 

だって 誰かを傷つけたら恨まれてしまうし

己の評価を落としてしまうよ

 

誰かを傷つけるくらいならその恋は捨てようと

思えるくらい家族を想う気持ちが

 

あなたにはあるかな

 

わたしにはあの時それがとても強くあったんだよ

…きっとね。

 

🍏🍏🍏

 

 

 

だから…一度結婚したなら その旦那様と添い遂げな。

 

添い遂げる自信がないなら 籍は入れない方がいい

 

事実婚にしておきな。

 

あとなんらかの事情で

籍を入れる事ができないってケースもあるだろう

 

 

それでも一緒にいたいなら 事実婚にすりゃいいよ

 

 

 

 

 

そんじゃまたね🤍