170「日本パンダ昔話」

昔々あるところに おじいさんとおばあさんがボロボロの家に住んでいました。

 

そこへ15年前に嫁いだ娘が離婚して、出戻りとなって舞い戻ってきてまた同居する事になってしまいました。この娘はミツコという名前でした。

 

その隣の家には、これまた同じく出戻りの娘が両親と一緒に住んでいました。こちらの娘は孫も連れており、3世代同居でした。こちらの出戻り娘は弓子という名前でした。

 

ミツコには離婚早々、お金持ちの男性との縁談が持ち上がっていました。彼の職業は小説家。カリスマブロガーだったミツコの半生をモデルにした小説がベストセラーとなり、その作品は映画化もされる程にヒットしました。

 

ミツコは離婚後すぐに彼が迎えに来てくれるものと思っていましたが、彼は何故かいつまで経っても迎えには来ませんでした。ミツコは途方に暮れました

 

ミツコは彼が何故迎えに来ないのかわからず、もう「諦めよう」と思い始めていました。

 

そんなある日 散歩していたミツコは、隣の出戻り娘の弓子にバッタリ出会ってしまいました。

 

ミツコの姿を見た弓子はわざわざ乗っていた車から降りてミツコの姿をニヤニヤしながら不躾に眺めました。ミツコはとても気持ちが悪くなりました。

 

弓子はミツコの「お金持ちとの縁談」の噂も「どうやらそれが破談になったらしい」という噂もすべて知っており、(破談したんだろ!ざまあみろ)と言わんばかりの表情で、ミツコのことをジロジロと眺めました。

 

ミツコはこの失礼な隣の、自分と同じ出戻り女を大変腹立たしく感じました。(なんて性格が悪い、失礼な人間だろう…)

 

結局その後ミツコは小説家の彼とは破談になってしまいました。原因は彼の家族から強い反対にあってしまった事と、彼とミツコの縁談を妬むもの達からの強い妨害に遭ってしまった事でした。

 

待てど暮らせど迎えに来ない彼。

 

ミツコはもう彼との未来はないと思い始めていた頃、音楽家をしていた男性からのアプローチがあり、意を決して小説家の彼に別れを切り出しました。

 

小説家の彼も相当なお金持ちでしたが、音楽家の彼は更にお金持ちでした。

 

その噂を聞いた弓子は強いショックを受けました。

(わたしは離婚してからずっと、縁談なんか何一つないのにどうして隣の女にばかり次々にお金持ちとの縁談が!悔しい!悔しい!悔しい!)

あまりの悔しさに弓子は家の床が抜けんばかりに地団駄を踏みました。そうしますとあまりに強く地団駄を踏んだのでマヌケにもカカトを骨折してしまいました。「ぐああああ〜っ!!」

 

そればかりかあまりにもミツコの事が羨ましくて毎日毎日嫉妬していましたら、今度は胃潰瘍になってしまいました。弓子は鬱になって寝込みました。

(ああ…あの時わたしは他人の不幸が嬉しくてものすごく  あの女を馬鹿にした嫌味な態度をとってしまった…しかし今はめちゃくちゃ惨めな気分だ…わたしは…バチがあたったんだな…)

 

その後ミツコは また何度も彼氏が入れ替わりましたがある日イケメン石油王が彼女を迎えにきて、遠い街へと彼女を連れて行ったきり、戻ってこなくなりました。

 

その後彼女はイケメン石油王と仲睦まじく、末長く、幸せに暮しましたとさ。

 

 

めでたしめでたし。

 

 

 

おわり🍡🍡🍡