408「パンダ日本昔話その3〜光の騎士団〜」

昔むかしあるところにオランという

悪い魔女がおりました

 

魔女は自分の弟妹をまるで家来のように扱い、王様のように威張り散らしていました

 

とても気分屋で 機嫌の悪い時には弟妹をいじめてストレスを発散させていました

 

弟も妹も 魔女のヒステリーと暴力を恐れ、従うしかありませんでした

 

魔女は鼻ひとつかむのにも自分では動かず、妹をアゴで使いティッシュを持ってこさせる程でした。妹は命令が下るたびに、走ってティッシュを取り魔女に差し出さなければなりませんでした。命令を無視すると折檻されるからです。

 

そればかりか

 

魔女は妹に女らしく振る舞う事さえ禁じました。オシャレする事を禁じました。りぼんの中の「ときめきトゥナイト」と「月の夜 星の朝」を読む事も固く禁じました。

 

「お前にはまだ早い。ませるから禁止」

 

自分以外の誰かの楽しみや喜びを奪い取る事がとても好きな魔女でした

 

魔女はこうして弟妹を洗脳し 服従させ 自由を奪い 彼らのささやかな楽しみや喜び、彼らの自我さえ奪い取りながら暴君として君臨していました

 

当然 弟妹からは内心よく思われていませんでした

 

弟はなかば諦め 己の心を殺す事で自分を守り

一方、妹は…心の中で強く魔女を憎みながら育ちました

 

 

ある時 弟は魔女に辞表を出し 

遠い国へと旅に出ました

 

彼はやっと魔女の圧政から逃れることができて

ホッとしました

 

 

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その後 魔女オランと妹の住む西の国は

東の大国と戦争になり

 

妹のアフロディーテは捕虜として東の国の魔女達に捕まってしまいました

 

【東の国の魔女達】はとても残酷な性格をしており

 

アフロディーテを檻の中に入れ晒し者にしました

 

そして槍でつついたり石を投げたりして毎日24時間の拷問を繰り返したのです。来る日も来る日も…それは信じられないことに何年間も続きました。

 

東の魔女達は拷問が趣味で、今までにも戦争で捉えた女性の捕虜を、何度も拷問死させていました

 

アフロディーテは来る日も来る日も終わりのない拷問に耐えきれず、ついに発狂してしまいました

 

そして毎日、「もうやめてー!!」と泣き叫び、絶叫を繰り返すようになりました

 

しかしそれでも東の魔女達は拷問をやめようとはせず…それを見て手を叩きながら心から楽しそうに笑い転げていました

 

 

アフロディーテの姉であるオランのもとにもその知らせは届きましたが、もともとアフロディーテのことをよく思っていなかったオランは妹を助けようとはせず東の国へこう手紙を送りました

 

「東の魔女さんたち。同盟を組みませんか?その捕虜はもう要らないので差し上げます。どうぞ水に沈めるなり火で炙るなりご自由にお使いください。その拷問をとったビデオ、是非こちらにも送っていただきたいわ。私からも拷問のアイデアを送りますので、是非採用お願い致しますね」

 

 

なんとオランは妹を見殺しにし、東の魔女達と同盟を組んだのです

 

しかしそれを見ていた群衆や その拷問の噂を聞きつけた列強の国々の騎士達が、東の魔女達の悪虐非道ぶりに怒り、魔女達に抗議の声明を送りつけるという動きが次々と起こり始めました

 

アフロディーテは大変美しい娘だったので、東の国の魔女達による、【若く美しい捕虜への拷問の噂】は世界中を駆け巡り、諸外国の貴族達の強い関心事にもなっていたのです

 

遥か遠い国の王様達もアフロディーテの可愛らしさに一目で恋に落ちました。そして彼女へのむごたらしい拷問に嘆きショックを受け、どうにか彼女を救出できないかと考えましたがなかなか東の国に手が出せませんでした

 

東の国でも西の国でも諸外国でも、たくさんの騎士や若者がアフロディーテに心奪われ、もうすぐ殺されてしまうかもしれないほどに弱ったアフロディーテの姿に嘆き悲しみ、やりたい放題の魔女達の横暴に対して何もできない我が身を嘆き、鬱病になってしまう者もいる程でした。

 

アフロディーテの人気は世界的なものになり、アフロディーテは檻の中にいながらも世界中の男性を虜にしてしまいました

 

しかしオランも、東の魔女達も、アフロディーテの人気に対して激しく嫉妬し、拷問はさらにエスカレートしていくという、負のスパイラルが起きていました

 

アフロディーテの拷問はなんと20年にもおよび…若く美しかったアフロディーテは40歳を過ぎてもなお捕虜として捕らえられたまま…嫉妬に狂った邪悪な魔女達の拷問に耐えながら生き延びていました

 

苦しみのあまり時には発狂し、発作を起こしてヒステリー状態になることもありましたが、それでもアフロディーテは生きていました

 

そして徐々にその異常な状況下でも冷静さと生来の気高さを取り戻し、発作はほとんど起きなくなりました

 

アフロディーテはすっかり歳を取り、もう40を過ぎてはいましたがそれでも彼女のことを心配し、解放を願う支援者や彼女に恋をし続ける王族達は数多くいました

 

🧝‍♀️☘️✨

 

そしてある時ついに 西の国から一人の若い英雄が現れて、アフロディーテ救出のために決起したのです

 

英雄のもとにはたくさんの若い騎士が集まり、その勢力はどんどん膨れ上がりました

 

人々はアフロディーテのために勇敢に魔女達と戦う若者達に大きな歓喜のエールを送り、その英雄と騎士達を【光の騎士団】と呼びました

 

それは東の国の魔女達の【終わりの始まり】でした

 

 

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西の国でも、アフロディーテを見殺しにしようとしたオランに対する民衆の怒りによって反乱が起き、オランの権力は失墜しました

 

オランはアフロディーテの人気を妬み、アフロディーテを救おうと立ち上がった若き英雄や騎士達に手紙を送っていたのです。「アフロディーテなんかより私と結婚してくださいませんか?」しかもその手紙には自分のヌード写真まで同封する始末。

 

妹を見殺しにしようとしたばかりか妹の支援者を強奪し己のものにしようとしたこのオランの所業に、人々は呆れ、冷たい目を向けるようになりました。

 

もちろんアフロディーテに恋する騎士達も、オランには目もくれませんでした。「なんという浅ましく意地汚い姉だ…」オランは世界中の嫌われ者になりました

 

その後アフロディーテは勇気ある騎士団の力によって、魔女達に押し込まれた檻の中からやっと救出されました

 

アフロディーテは自分を助けようと尽力してくれた若き英雄の噂を檻の中でも聞いており、出会えた瞬間 あまりの感動に泣き崩れました

 

若き英雄と騎士団は世界中の喝采を浴び、アフロディーテと【光の騎士団】の勝利に大きな祝福を送りました

 

 

その後アフロディーテは英雄と結婚し

末長く幸せに暮らしましたとさ

 

 

 

おしまい👸💗🤴